慰謝料請求訴訟は弁護士によってどう変わる？

不倫で精神的な苦痛が生じた場合、不倫相手に対して慰謝料の請求訴訟を検討する人もいるでしょう。
しかし、慰謝料の請求訴訟を起こすためには多くの証拠や弁護士への依頼などが必要となってきます。
そこで今回は、弁護士に依頼する重要性や、慰謝料請求訴訟について解説していきましょう。

1 不倫や浮気相手に慰謝料請求できる？
2 不倫相手に慰謝料請求するなら？
3 示談書作成で慰謝料の請求は可能？
4 弁護士への依頼で慰謝料請求訴訟がスムーズになる？
5 慰謝料の請求訴訟を依頼する場合のメリット

不倫や浮気相手に慰謝料請求できる？

配偶者などに浮気や不倫された場合、責任を取ってもらおうと慰謝料請求を検討している人もいるでしょう。
しかし、何から準備するのか誰に相談するべきかを悩んでしまうものです。
基本的に不倫に関しての慰謝料請求は、貞操義務に違反した場合に違反者に対して行えます。
例えば、夫が不倫した場合は妻が夫に対し慰謝料を請求できます。
また、不倫相手に対しては貞操義務違反による権利侵害を共同で行った責任があるとして請求可能です。
基本的には不倫をした配偶者とその相手へ慰謝料請求ができるのです。
ただし、不倫相手に対しては必ず請求できるかというと、実はそうではありません。
不倫相手に慰謝料請求できるケースは、相手が既婚者であると知って不倫していた場合と、普通であれば既婚者であると気が付く機会や言動があったのに、気が付かずに不倫を継続していた場合です。
そのため、既婚者なのに嘘をついていた場合や相手も既婚者ではないと信じる理由があった場合、実際は不倫していても慰謝料を請求できない場合もあるのです。
不倫や浮気を知っていたとしても相手が嘘を信じてしまった場合は、精神的な苦痛を感じながら過ごさなければならないだけでなく、慰謝料も請求できないため泣き寝入りになってしまうことも少なくありません。

不倫相手に慰謝料請求するなら？

もし不倫相手に慰謝料請求を行う場合、不貞行為を証明させるものが必要です。
個人的に証拠だと思っていたものでも、実際には有力な証拠にならない場合もあります。
以下の内容は不倫相手に慰謝料請求する際に有力な証拠となり得ます。

写真や動画

ラブホテルなどに不倫相手と出入りする瞬間の写真などは、有力な証拠になります。
写真や動画は、その瞬間やタイミングを合わせなければならず、自分で用意するのは難しいでしょう。
このような場合は、探偵を雇ったり車のドライブレコーダーを確認して保存したりしたものも証拠になります。

メールやLINEなどのやりとり

不倫相手とのやりとりも慰謝料請求に必要な証拠になり得ます。
性的な関係が読み取れる内容があれば証拠になりますが、既婚者と知っている内容も有力な証拠でしょう。

録音した音声

不倫相手との会話を録音した音声も立派な証拠です。
電話での会話を毎回録音しておきましょう。

その他

ラブホテルの会員証や領収書、不倫相手と一緒にいたのが分かる写真やSNSの投稿、着信履歴なども証拠になります。
また、日記なども有力でしょう。
他の証拠と併せて大きな証拠に変わる場合もあるので、様々な証拠を用意しておくのが良いです。

示談書作成で慰謝料の請求は可能？

不倫に関しての証拠を集めた場合、それだけを相手に突き付けても慰謝料の請求はできません。
慰謝料の請求を行うために、不倫相手に対して示談を持ちかけるための示談書の作成が必要です。
示談書はお互いが納得した際に交わされる文書であり、内容には今後の条件や精神的苦痛の代償として慰謝料を支払うことが明記されます。
慰謝料に関しても金額や支払日、支払い回数や支払い方法などが細かく書かれ、合意した場合は署名と押印が必要です。
しかし、集めた証拠を不倫相手に確認させて自分自身で示談書を作成した場合、かなりの知識が必要です。
もし法律的に効力のない示談書を作ってしまった場合、示談契約そのものが無効となり、集めた証拠さえも失いかねません。
また、不倫の示談書に書かれる慰謝料に関しても証拠から金額が決まることがあり、合わない金額の場合は不倫相手から同意を得られないケースも実際にはあります。
不倫で慰謝料を求める際には、訴訟の前に示談を選ぶことが多いです。
示談書の作成で書面に残しておくことができて、後のトラブルも防げます。
しかし、示談書に記載する内容は不倫によっても異なるため、全て同じ内容で書くことはできません。
慰謝料の請求を行うためには、弁護士への依頼で進めていく方が安心です。

弁護士への依頼で慰謝料請求訴訟がスムーズになる？

示談書の作成を検討している場合、ほとんどが不倫に関して事を荒立てたくないという気持ちや、直接謝罪して欲しいという気持ちを持っています。
しかし不倫に関しての認識や事実関係、また不倫加害者側がまだ感情を持っている場合は、示談書では交渉できずに解決が困難になる場合があります。
このような場合は、示談書での解決から訴訟での解決に移った方が良いでしょう。
訴訟になった場合、裁判所は両者の言い分や証拠を客観的に判断します。
公平な判断が可能な反面、慰謝料の金額が変わったり弁護士への依頼費用が発生したりします。
しかし具体的な慰謝料金額が分かり、不倫相手にもプレッシャーを与えられるでしょう。
また早期解決が期待できるため、自分自身で動くよりもスムーズに進められます。

慰謝料の請求訴訟を依頼する場合のメリット

不倫相手へ訴訟を起こす場合、時間や費用が掛かってしまいます。
しかし弁護士に依頼して行う請求訴訟には、多くのメリットがあります。

拒まれている慰謝料の請求が可能

不倫相手に示談書で書かれている金額が納得できず、請求訴訟に発展した場合、慰謝料の金額を求めた訴訟が可能です。
そのため、慰謝料の請求に関する内容を含めた判決が出た場合、支払う義務を相手に負わせることもできるでしょう。

慰謝料のプラスも期待できる

訴訟では、不倫の証拠などを含めた公平な判断から判決が下されます。
もし慰謝料の請求が認められれば、弁護士費用や遅延損害金の上乗せというメリットもあり、慰謝料のプラスが期待できる場合もあります。

不倫という事実を認めさせられる

不倫相手の中には、不貞行為など多くの証拠があったとしても不倫関係にないと否定する場合があります。
また、不倫していたにも関わらず、相手が既婚者だと知らなかったと主張して慰謝料の支払い拒否をしてくることもあるでしょう。
しかし、訴訟を起こすことで相手に不倫という事実を認めさせて謝罪してもらえます。
訴訟という形で今までの関係性もはっきりさせられるでしょう。

不倫で多くの関係性が崩れ、精神的な苦痛を受けてしまいます。
しかし、慰謝料を請求するために証拠を集めておくと有利になるでしょう。
自分自身で示談書を作成して交渉することも可能ですが、弁護士に依頼するとスムーズな請求が可能です。
示談書で合意できない場合は訴訟となってしまいますが、慰謝料の増額や不倫相手に事実を認めさせることができます。
時間や費用は掛かってしまいますが、長期的な精神的負担がなくなります。
不倫問題に悩んだら弁護士への相談をおすすめします。