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手紙も証拠になる?

あなたの夫(または妻)の机から、不倫をしていると思わせるような内容の手紙が出てきました。
さて、そのような手紙は不倫をしているという証拠になるのでしょうか?裁判などの証拠として採用されるにはどのような条件が必要なのでしょうか?今回はこれらのことについて、解説しようと思います。

不倫をしていると思わせるような内容の手紙が証拠となるのかを考えるために、次のような順に考えて行こうと思います。

  • 不倫とはどのようなことを言うのか?
  • 不倫相手からもらった手紙は証拠となる?
  • LINEやメールの文面なども手紙と同じように証拠となる?
  • 不倫を決定的にするために必要なその他の証拠とは?

不倫とはどのようなことを言うのか?

不倫とは法律用語ではありません。
不倫というのは社会一般的に使われている言葉で、法律用語では不貞行為と言います。
不貞行為というのは「夫婦や内縁関係の男女などの一方がパートナー以外の者と自由な意思に基づいて肉体関係を持つこと」を言いますので、不倫よりは少し意味の範囲が狭いかもしれません。
2人きりでデートをしたり、食事をしたりするのは、不倫とは言っても法律上の不貞行為には当たりません。
法律上の不貞行為に当たるためにはあくまでも「肉体関係を持つこと」が必要となります。

不倫相手からもらった手紙は証拠となる?

不倫相手からもらったのであろう手紙と言っても、内容にはいろいろなものが考えられます。
先ほど説明したようにデートや食事などに関する手紙であっても、肉体関係があることがわかるようなものでなければ、法律上の証拠には当たりません。
ハグやキスをしたなどでは不貞行為とは言わないのです。
裁判で証拠として採用されるためには、不貞行為すなわち肉体関係があったことが推測されるような内容の手紙である必要があります。
ですから、いくら濃厚な愛情表現の手紙であっても、肉体関係があったことを表すような表現がなければ裁判上の不貞行為を推測させる証拠の手紙とはなりません。
更に証拠となるためには、いつ誰から誰への手紙であったかがわかるように、宛名、差出人、消印などが記載されている封筒なども一緒に保存しておく必要があるでしょう。

LINEやメールの文面なども手紙と同じように証拠となる?

LINEやメールのコピーや文面も法律上の証拠とすることができますが、内容が不貞行為すなわち肉体関係があったことが推測されるものでなければならないことは、手紙と同じです。
LINEやメールの場合には特にそれがいつ誰から誰に送信されたものであるかがわかる必要があります。
それらを示すデータについても同時に撮影又はコピーしておきましょう。
また、画面を保存する場合には直接撮影したもののほうがいいでしょう。
スクリーンショットなどは後で改ざんしやすいデータとして採用されない場合があります。

不倫を決定的にするために必要なその他の証拠とは?

手紙やLINE、メールに不貞行為があったことが推測されるような記述があったとしても、それだけでは裁判で不貞行為があったと認めてもらったり、相手方と示談をしたりするにしても証拠としては弱いと考えられています。
よって、裁判で不貞行為を認めてもらったり、相手方との示談を有利に進めたりするためには、次のような証拠も同時に収集する必要があるでしょう。
それぞれについて簡単に説明します。

  • 写真
  • 録音した音声データや録画した撮影データ
  • クレジットカードの利用明細、レシート
  • Suica、PASMOなどの利用履歴
  • SNSやブログ
  • 手帳、日記、メモ
  • GPS

写真

性行為の写真、それに似た行為(疑似行為)の写真、裸の写真、ラブホテルや自宅への出入りしている写真(入るところ、出るところの両方が必要)、不倫・浮気相手との旅行などの写真、一夜を共にしたとわかるような写真(ホテル、旅館などでの写真)などは、裁判になった場合に不貞行為があったという証拠としてされやすいです。
ただし、不貞行為があったと認められるためには、撮影された日時が記録されていること、不貞行為が複数回行われていることがわかることが必要です。

音声データ、撮影データ

あなたの夫や妻と浮気・不倫相手との間での不貞行為をしたことが明らかにわかる音声データや録画された映像データがあれば、証拠として採用される可能性が高いです。
一般的にICレコーダーやビデオやスマートフォンで録音・録画されたものの場合が多くなっています。
ただし、このようなデータであっても、著しく違法的な方法で取得されたものでないことが必要です。

クレジットカードの利用明細、レシート

クレジットカードの利用明細やレシートも不倫行為の証拠として採用されます。
具体的には、①ラブホテル、ホテル、旅館などのクレジットカードの利用明細書、②ホテル街や相手の家の近くで使われたレシート(コンビニエンスストア、レストラン、その他の店舗)などです。
ただし、普通のレシートであれば繰り返し使われたものであることが必要です。
また、単発であっても避妊具や性行為用の具渦など不貞行為があったと連想されるようなものであれば証拠として採用されやすいでしょう。

Suica、PASMOなどの利用履歴

SuicaやPASMO自動車のETCの記録などの電車や自動車の移動履歴も不倫行為の証拠として認められることがあります。
Suica、PASMOの利用履歴は駅の券売機などで利用履歴を確認し、印字することができます。
これが、あなたの夫や妻の移動履歴の証拠となることがあります。
また、自動車のETC利用履歴はETC利用サービスのホームページ(https://www.etc-meisai.jp/)で過去の利用履歴を照会・印刷することができます。
これらのデータ収集の際の注意点は、継続的に使われたものであることが証拠として採用されるためには重要です。

SNSやブログ

最近はSNSやブログをやっている人も多いため、これらが不貞行為の証拠として採用されることもあります。
具体的には、①FacebookやInstagramに投稿されたツーショット写真、②ブログにアップされたツーショット写真や不貞行為があったと思われるような記事、③Twitter, Facebook, InstagramのDMのコピーや写真に撮影したもの。
ただし、SNSの場合はアカウントが明らかである必要があります。
また、内容的にはメール、手紙で説明したのと同様の内容である必要があります。

手帳、日記、メモ

紙媒体の手帳や日記、メモであっても次のようなものの場合、証拠として採用されることがあります。
①手帳やスマホのスケジュールアプリで浮気や不倫相手と会った記録、②浮気や不倫相手と会ったことがわかる日記、③メモ、付箋、名刺などに書かれた私的な電話番号やメールアドレスなど。
これらが証拠として採用されるためには、他の証拠と同じように日時や場所などが明らかで、不貞行為が行われたことが推測できるようなものであること、手帳や日記の場合、継続的に記録されていることが必要です。

GPS

GPSを使って収集したデータも証拠として採用されることがあります。
具体的には夫や妻のカバンなどにGPSを入れて、行動を記録し、ホテルや旅館、相手の自宅などに行ったことを情報として収集したデータのことです。
ただし、プライバシーを侵害したものとされることもあるので、注意が必要です。

まとめ

不倫相手からもらった手紙が内容によっては裁判で証拠として採用されるような証拠になることがわかりました。
でも、裁判や示談の交渉で有利に進めるためには手紙の内容が一定の条件を満たしている必要があること、同時にその他の証拠も収集する必要があることに注意する必要があります。
ポイントは次の通りです。

  • 法律上証拠となるのは「肉体関係」があったことを示す内容の手紙
  • LINEやメールも同様に証拠となるが、日時や宛名、宛先のデータも収集すること
  • 写真や音声・録音データ、レシートなど他の証拠も同時に収集することが重要