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お金じゃない・・・「謝罪」は強要できますか?

「謝罪」を「強要」することはできる?

不倫相手に慰謝料ではなく「謝罪」を強要することはできるのでしょうか。
「強要」とは無理に要求すること、強いること、です。
もし相手が謝罪することを拒否したら「強要」することはできません。

無理に強要すると、場合によっては罪に問われる可能性があります。
不倫相手に謝罪をしてほしいという思いは、不倫された側からすると当然な感情でしょう。

しかし、法律では不倫をした場合の被害者の損害は金銭にて賠償するという規定になっており、謝罪は義務ではありません。

「謝罪」を「要求」することはできる

では相手に謝罪してもらうことは不可能でしょうか。
実は不可能ではありません。
相手に謝罪を要求して、相手が応じれば謝罪してもらうことができます。
謝罪にはいろいろな方法があるので、みていきましょう。

①口頭で謝罪してもらう

直接会うか、電話などで謝罪をしてもらいます。
しかし、相手の態度や言い方によっては、逆に怒りが増してしてしまう可能性もあります。
相手の謝罪の言葉を聞いても「そんな言葉では謝罪とは受け止められない」「もっとちゃんと謝ってほしい」と、余計にこじれてしまう結果になることもあるので、お互い冷静になることが重要でしょう。

②謝罪文を提出してもらう

相手が謝罪する意思を示した場合、直接口頭で謝罪してもらうよりも、書面で謝罪文を提出してもらう方が後々証拠として残るのでいいという場合もあります。
今後、お金はいらないと思っていても、離婚などの手続きに発展した際、改めて相手に慰謝料請求する可能性もあるかもしれません。
その時に謝罪文があれば、相手が不倫を認めているという確たる証拠となります。

謝罪文の内容

謝罪の言葉をそのまま文章にし、相手が作成し提出してもらいます。
謝罪の言葉だけで納得するのであれば、一文でもそれは謝罪文になります。
しかし、今後のことを考え、以下の内容を謝罪文に付け加えるよう求めてもよいでしょう。

  • 不倫していた事実を認める文言
  • いつ頃からどれくらいの頻度で会っていたか
  • 不倫が原因で夫婦関係が破綻してしまったという事実
  • 二度と不倫はしないという約束
  • 電話、メール、SNSなどでの今後一切の接触はしないという約束
  • もし約束を破った場合は、慰謝料を支払うという約束
  • 宛名、日付、相手の住所・氏名を自書してもらい、押印をする
③示談書に謝罪文を盛り込む

示談書とは、双方が合意した内容を記載し、お互いが署名押印する契約書のような書類です。
謝罪文は相手が作成して提出してもらうものに対し、示談書は両者の合意が必要になります。
慰謝料請求に合意したとき交わされることが多いです。
慰謝料の額や支払い方法などの取り決めに追加して、謝罪文を盛り込むことも可能です。

④裁判において和解条項に謝罪文を盛り込む

謝罪のみを求めて裁判を起こすことは、法律に規定がないため難しいでしょう。
しかし、慰謝料請求としてなら相手に裁判を起こすことが可能です。
判決となった場合には、謝罪を求めても認められることは難しいですが、裁判上で和解が成立した場合は可能となる場合があります。
和解の項目に謝罪文を入れることを求めて相手が了承すれば、和解項目に謝罪の文言を入れることが可能です。
もし、お金よりも謝罪が欲しいということであれば、謝罪文を和解項目に入れる代わりに慰謝料請求は放棄、または減額するという条件を相手に提示してみるもの一つの方法です。
相手が謝罪文を盛り込むことに了承すれば和解調書に謝罪文が記載されます。

絶対にやってはいけない謝罪要求

どうしても謝罪してほしい時、相手の態度のよっては感情的になってしまうこともあるでしょう。
「夫婦関係は壊れていると聞いていた」「離婚して一緒になろうと言われていた」など相手が言ってくると、頭に血がのぼり感情的になってしまい、相手に対し強く出てしまうこともあるでしょう。
しかし、我を失ってしまったからといって、あまりに強い態度に出てしまうのは危険な行為です。
場合によっては犯罪行為とみなされ、逆に相手から訴えられるということにもなりかねません。
どのような謝罪要求が誤った方法なのでしょうか。
みていきましょう。

①謝罪を強要する

強要とは相手や、その親族に対して「○○しないと、○○するぞ!」と何かを伝えたうえで、何らかの行動を求める行為です。
何かの行為を相手にさせたら、強要罪に問われてしまう可能性があります。

例えば以下のような事例が強要罪になってしまう可能性があります。

「謝罪しないなら殺してやる!」と言って、土下座させる行為
「会社を辞めないと不倫をしていたことを公表する」と言って、退職させる行為

法律で強要罪は以下のように規定されています。

「生命、身体、自由、名誉若しくは財産に対し害を加える旨を告知して脅迫し、又は暴行を用いて、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害した者は、3年以下の懲役に処する。」刑法第223条第1項

②相手を脅迫する

脅迫とは、相手やその親族に対し「○○するぞ!」と言って恐怖を与えることです。
実際に行為に及んでいなくても、伝えるだけで脅迫罪に該当してしまう場合があります。
相手に直接言わなくても電話やメールでも脅迫罪に該当してしまう可能性もあります。

例えば以下のような事例が脅迫罪になってしまう可能性があります。

「不倫していることをネットやSNSでばらまく」と言う
「不倫していることを会社にばらす」と言う

法律で脅迫罪は以下のように規定されています。

「生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。」刑法第222条第1項

③相手に暴行を加える

暴行とは相手に暴力をふるうことです。
暴行すると聞けば、とても怖いイメージがわきますが、相手にけがを負わせなくても、その行為だけで暴行罪に問われてしまう可能性があります。
また、相手にけがをさせてしまった場合は傷害罪など、別のもっと重い刑になってしまいます。

例えば以下のような事例が暴行罪になってしまう可能性があります。

  • 殴る
  • 蹴る
  • 髪の毛を引っぱる
  • 胸ぐらをつかむ
  • 物を投げる

法律で暴行罪は以下のように規定されています。

「暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、2年以下の懲役若しくは30万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。」刑法第208条

まとめ

いかがでしたか。
不倫相手に「謝罪」してもらうには、相手が「謝罪」を拒否しない。ということが前提となります。
不倫をされて「お金で解決ではなく、ただ謝罪をしてほしい!」と思うことは当然の感情でしょう。
ただ、現在の法律では謝罪というものは強要できないことになっています。
しかし、相手さえ謝罪の意思を示したら、謝罪してもらうことは可能です。
諦めずに相手に謝罪を要求してみましょう。
その際、冷静に対応することが大事です。
また、気持ちが落ち着いたときには法律で規定されている慰謝料請求をする権利がありますので、あわせて検討してみましょう。